「デジタル化」って何それ、おいしいの?
「デジタル化」はただデータをデジタルに変換することじゃない
最近、「デジタル化」という言葉をよく聞きます。
上司が突然、我が社もデジタル化の波に乗らなければならない。などと言い出して、今更?と樽子は思いました。
コンピュータが普及したのは30年も前のことじゃないか。
これだけデジタル化されたものが溢れてる時代なのに!テレビがデジタル放送になったのは2011年だよ、もう7年も前だよ、と。
でも、ちょっと違うらしい。この記事の説明がわかりやすかった。
「同じ単語では? 」と思われた方もあるかもしれません。
前者は desitization(デジタイゼイション)。
後者は desitalization(デジタライゼイション)。
アルファベット al が途中に入ります。
ほうほう。日本語では両方を「デジタル化」って呼んでしまうから、わかりにくいのか。
「デジタル化」とは「新しいデジタル技術を有効活用すること」
同サイトより。
desitalization の方は、米国に本拠地を置くICTアドバイザリ企業のガートナー社による定義がわかりやすく、以下の通り。
Digitalization is the use of digital technologies to change a business model and provide new revenue and value-producing opportunities; it is the process of moving to a digital business.
(試訳 デジタル技術の利用によりビジネスモデルを変換し、新たな利益や価値を生み出す機会をもたらすこと。 デジタル事業への移行プロセス。)ビックデータやiCloudを活用したビジネスなど、現在あらゆる業界で進んでいるトレンド「デジタルデータの活用」です。
つまり、IT技術をうまく使うことで、新しい価値を創出できる、ということらしい。
ビッグデータや大量のセンサー、AI技術といった、新しめの技術の総称なのね。
今までに起こった、Eメールの普及とか、スマホ化とかはデジタル化とは呼ばないのか。
変なのー。
「デジタル化」は海外の偉い人たちの間で流行ってるらしい
私の勤め先の偉い人が突然「デジタル化」などと言い出したのは、きっとお爺さんたちの間で流行ってるのだろう、と思ったら、その通りのようだ。
世界経済フィーラムの2018年年次総会(通称:ダボス会議)が開催され、経済、政治、学究等、各界のリーダー達によって、世界・地域・産業の課題について様々な議論がなされた。
ダボス会議の中で出ていた発言の代表的なものとしては、
「今、生まれた子どもはきっと免許を取る必要はない」 ダラ・コスロシャヒ氏(Uber Technologies Inc. CEO)
「AIは電力などより重要」 サンダー・ピチャイ氏(Google CEO)
総務省は「デジタル化」よりも「ICT」という言葉の方が好き
総務省の情報通信白書を見に行くと、あれ、デジタル化、という言葉はちらほら出てくるものの、あくまでICTの活用が進んでいる、というスタンスのようだ。
ICTによる新たなエコノミーの形成とか。
総務省にしてみれば、デジタル化は、テレビ放送のデジタル化を意味しちゃうもんね。言葉が混乱しちゃうから避けてるんだよね。
総務省|平成30年版 情報通信白書|平成30年版 情報通信白書のポイント
と思いきや、総務省は古い意味での「デジタル化」は使っていた。
この資料が指すデジタル化とは、「添付書類の撤廃」、「本人確認などのオンライン化の徹底」、「複数手続のワンストップでの処理」。
30年前の意味でのデジタル化。
行政手続きのデジタル化、一刻も早く実現してほしいです。
むしろなぜ、いまだにアナログなんですか。
海外の流行りの意味(デジタル新技術の有効活用)として「デジタル化」という言葉を使っているのは、経済産業省。
あー、流行り言葉、好きそう。
上司の言う「デジタル化」はどういう意味か
我が社もデジタル化しなければならない、などと上司が言い出したら、そのデジタル化ってどういう意味ですか?と確認しましょう。
- アナログデータをデジタルデータにすること(紙の資料をスキャンするなど)
- 仕事の進め方をアナログからデジタルに置き換えること(在庫管理のIT化など)
- 新しいIT技術を使ってサービスを高度化すること(顧客ごとの個別化など)
- 新しいIT技術を使って新しいサービスを作り出すこと(ブロックチェーン技術の活用など)
デジタル化という言葉は意味が広いので、勘違いしていると、お前何やってるんだ?なんてことが起きてしまうかもしれませんからね。